CCDD’s diary

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ルイス・キャロル ソサエティ

ルイス・キャロルは中肉中背、少し長めの銀髪、深い青の瞳、髭はきれいに剃り上げ、足どりはやや覚束なく。

オックスフォードではひとかどの人物だが、着るものは多少エキセントリックで、寒い日でもコートは着ずに、オールシーズン灰色と黒の綿手袋を身につけるという独自の習慣があった。

数学者で発明家のキャロルは、機知に富み、紳士で、辛気くさく、博愛主義でかつ子供っぽいエゴイストで、生涯を独身で通した。アンデルセン並みに甘やかされた子供だった。

マジックや写真、ナゾナゾやゲームやパズルや言葉遊びが好きだったが、どもりのせいで人前に出るのを嫌った。

“I said you looked like an egg, Sir,” Alice gently explained. “And some eggs are very pretty, you know,” she added, hoping to turn her remark into a sort of compliment.

- Through the Looking-Glass and What Alice Found There, 1872

Humpty Dumpty に丁寧に受け答えするこんな少女が理想だったのかも。

まさか “the Alice Industry” なるものが確立していくことなど彼自身は予測してもいないだろう。舞台やバレエやオペラや映画、テレビのみならず、広告やコレクティブルズに至るまで、そして各国でクラブや研究会が立ち上がるまでのアリスクレイズ。神話。

子供のみならず大人までもがアリスの世界に熱狂するのは、Warren Weaver によると、大人は子供であることを止められないからと。

Most adults, most successful adults, most happy adults, never stop being children.

で、中毒になる。

Let us once more adventure, hand in hand: Give me belief again - in Wonderland!

Vincent Starret, “Brilling,” 1949

鏡の国のアリスでは、ジョン・テニエルが挿絵のアリスの髪にヘッドバンドを加えた。初版本ではアリスの髪は緩く流れるようだったが、1872年の鏡の国が出版されるやいなや、ヘアバンドは大人気を博し、英国の少女たちはこぞって身につけた。今でも “Alice bands” と英国中で呼ばれている。

Those Horrid Hurdy-Gurdies!

My mother bids me bind my hair.

And not go about such a figure; 

It’s a bother, of course, but what do I care?

I shall do as I please when I’m bigger.

母の呪縛は少女たちが経験するもの。

反骨精神もちらほら。

後に甘い記憶となるよ。

A child, a very child is she, Whose dream of Heaven is still to be At Home: for Home is Bliss.

- Dedication, The Nursery Alice, 1889