CCDD’s diary

https://acoracco.com

チェの奥さん Aleida March その④

睡眠不足で疲れ切っていたが、気持ちは高揚していた。正しい道を進んでいるとの確信があった。

夕闇迫る頃、Los Arabos か Colisero か極秘任務で通過した見覚えのある場所で、初めてチェに告白された。

2人だけでクルマの中にいる時に突然彼が向き直り、サンタクララで背後から武装した車が追って来た時は君に何か起きやしないかと、肝を冷やしたと。眠気と疲れの中で朦朧としながら、さして本気にせずに、話を聞いていた。

ましてや彼はずっと年上で、尊敬するリーダーなのだから。しかも聞き違いかもしれない、と一言も声が出なかった。

チェは期待した答えも得られないまま。他のメンバーたちが乗り込んできた。

MantanzasでCamiloと電話で状況を報告しあうチェ。Chaviano率いる連隊と合流する。

ラ・カバーニャ要塞には1/3の朝早くに着く。要塞の頭、Mantuel Varela Castro 大佐が待ち受ける。

旧総司令本部に向かう途中、町は異様な静けさを呈していた。議論の後、バチスタの高官たちと面談する。非現実的なのは、反乱軍に仕える政府軍を目の当たりにした時だ。士気は落ちていて、反乱軍に対し信頼と尊敬の念を抱いていることを示していた。キューバの人民たちの無条件の支持が証明された。

バチスタの義理の兄であるFernandez Mirandaの家に司令塔を設置。皆、メインルームに泊まるが、アレイダら女性たちは離れた小さな部屋を与えられた。フェルナンデスの妻の服を探り着替える者もいた。

カバーニャ要塞に軍の新たな総司令本部を立ち上げたチェ。素晴らしい庭や海の眺めや景色を堪能することで初めて我々は自分たちの運命の担い手となったと感じたが、チェの忠告通り、そこからが本当の革命の苦悩が始まるのだった。

革命の過程を記録する任務を与えられたアレイダは、チェと飛行機での旅を重ね、ついにフィデルに紹介される時が来る。話したいことや感謝の気持ちは限りなくあったが、言葉が出てこなかった。彼こそ人生に目的と意味を与えてくれた人だし、彼がいなければチェにも会えなかったから。

1/8 フィデルが群衆に囲まれてやってくるのがカバーニャ要塞の好立地な壁の上から見られた。興奮や怒涛の中でも不思議に秩序が産まれた。

アレイダ自身はゲリラの疲れを休め、普通の生活を取り戻すべく、女性らしいドレスを着た。友と美容院に行き、ハバナの中心を練り歩き、その美しさに魅入った。

チェにはいつもボディガードがついていた。アレイダと歩いている時ですら。よく道に迷い、赤信号かと思ったら薬屋の灯りで、田舎者だねと笑いあったりした。車に乗っている時にまだ腕が痛むからシャツの襟を直して、とか、髪を整えて、とか皆にみせつける彼の策。けれど、いつも意見を尊重してくれ、考えていることを自分に率直に伝えてくれるのだった。

以上 六章途中まで

つづく。