大の飛行機嫌いだったらしい。
少しでも揺れるとめっちゃいろいろ聞いてくるんだって細かく笑
怖かったんだねー。
朝食時には200ページの世界のニュースに目を走らせ、1日50書類に目を通す。
しかも無類の読書家。
経済学 歴史学 文学 ベストセラー オフィシャルドキュメント ロマンティックノベルや水耕栽培の本、果ては未発表の医師の友の整形外科に関する論文まですぐさま訳させてまで
読む。
メキシコの友達に好きな料理のレシピ聞いて、まだ洗ってない鍋やフライパンの横のカウンターに寄りかかり、書き付けていたりとか。
本の中に間違いをみつけると、英語バージョンを取り寄せ、見比べ指摘。
学者肌だったのねー。
数限りない著名人無名人たちと交流があり、まるでマトリョーシカ並みの質疑、なぜ、なぜのなぜ、なぜのなぜのなぜ、を導き出すまで問い続けたって。
粘着質か?
計算も速かったらしい。データ確認も抜かりなくって、さすが戦術家。
セデューサーで、リスナーを惹きつけ、荒らげた声を囁きに変えるオレイター。
カリスマの鉄則。
話術は相当なもので、まるでその場にいないのにいたかのように相手を錯覚させたらしい。マジシャン⁈
例えば行ってはいないアンゴラ内戦とか詳細に語り、欧州の外交官は彼がその場にいたものと納得しちゃったらしい。
チェの暗殺にしろ、チリの前大統領の死にしろ、キューバを襲ったハリケーンフローラの惨状にしろ、臨場感溢れる話術で皆に聴く耳を持たせた、と。
ジャーナリストとも会話が弾んでくれば、2時間が4時間に6時間にって延びたらしい。
1番長くインタビューできたのはイタリアのメディアで何と17時間‼︎ 気に入ればとことんなんだねー。
人の偉業は物欲ではなく良心やモラルによって達成され、世界が変わり歴史が前進するのだから、キリスト教の精神に近いのは資本主義より社会主義っていう信念は頑なに固持するカウディーヨ。
人たらし。
調子は?と問われて貯水池が満タンだから、大丈夫と答えていた彼も、官僚たちの無能さや南アメリカが抱える借金に頭悩ます。充分明らかにされ議論され尽くしたら、南アメリカの団結を説き、時を待つ、そして議題はしまい込む。
民衆は彼と話すとき、カジュアルにtuと呼び、彼もフランクに応じる。彼と論じ、彼に要求し、語り合う。
テレビから聴こえる唄 Life is an Express Train that Travels Thousands of Leagues に想いを馳せる。
この世でいちばんやりたいことは?
即座に答える
“Just hang around on some street corner.”
そりゃそうだろうけれど
なんにも考えず馴染みのないとこでブラブラしててもさ
きっとそれでも捉まっちゃうねー
常に民とある英雄だからさ